長岡是好日

2017.03.10

中くらい


3月ともなればさすがの長岡とて春である。

日も高くなり、日暮れも随分と遅くなった。
年が変わって早3ヶ月、もうすぐ年度も変わる。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

3年前の今ごろは、転職を決めて新潟に帰る準備で大わらわだったころ。
当時の会社では春闘の真っ最中。
そんな中、社を離れるということで、同期や後輩を驚かせてしまったし先輩にも大変迷惑をかけた。
それでも、私の無理を快く受け入れてくれた諸先輩方の顔を思い出すと今も身が引き締まる。

あれから3年。
当時は金輪際の別れというような風情だったのだが、大げさだったと最近はなおさら思う。
考え方次第で、地域や時間の垣根は簡単に越えられる。
「SNS」が広まって久しい。
実際に顔を合わせるに越したことはないと思うが、そうせずとも互いの近況はおおよそ知っているし、ネット上でも「久しぶり」と声を掛け合うこともできる。

先日、以前の同期に赤ちゃんが生まれたということで久しぶりに上京した。
岩手出身で現在は神奈川に住む彼女。
「ずっと東京にいていいのかな」二人でよく話したのを忘れない。
久しぶりに見た彼女は少しふっくらしていて、旦那さんと一緒に迎えてくれた。

「子どもも生まれたし」と彼女。
地元を思う気持ちはありつつも、これからも東京で暮らしていく決意を固めたようだった。
子どもや家庭を前にしては、様々、優先順位は変わらざるを得ないと思うが、それもまた考え方なのだろう。

「普通でいいんだよ」と、祖母はよく私にそう言った。
やりたいことと今できること。
それをどこまで頑張るか。線引きは難しい。

『めでたさも 中くらいなり おらが春』
江戸時代に活躍した俳人、小林一茶は、ある春の日にこう詠んでいる。

中くらい。
それが一番難しい。