長岡是好日

2017.11.03

上京俚諺


図らずも2週連続で週末を東京で過ごした。
どちらも雨降りだったけど、賑やかさはいつも通り。
つい先日なんかは、ハロウィン装束が10両編成の電車からわらわらと飛び出してきて街を彩っていた。
あふれるコトやモノ、多様さに自然と「すげえなぁ」と独り言。
東京に集まった膨大なエネルギー魅了される。
新潟に帰る前の私にとって当たり前だったこと。

10月の台風は少し珍しいという。
2週連続で東京に行って、あおりを受けて2週連続で雨に降られた。
「新潟で雨なら東京は晴れ」のジンクスも通用しない。
東京から新潟の帰路も台風と一緒に北上するようなもので、ここ最近ずっと雨が降っているような気がする。
何より、晴れが少ないのは新潟のいつも通り。嫌でもなんともない。

今ないモノが無性に恋しくなる時がある。
東京にいたころは新潟に帰りたくて仕方なかったし、今は東京に訪れる度についつい帰りの新幹線を1本また1本と後らせてしまう。
ないものねだりか。

久しぶりに東京タワーに登ってみた。
東京の夜景は雨雲越しに見ても圧巻の美しさで、学生時代に彼女と訪れたときのことを思い出した。

新潟と東京の遠距離恋愛の中、何のきっかけだったかは忘れてしまったが上京してきた彼女とのデートの最後に訪れた。
あの日も雨で、「あっちがアパートがあるらへんかな」と指さしてから「新潟はどっち?」と聞かれた。
東京のどこからも、長岡の街は見えない。
それくらい離れた場所で過ごしているのだと、切なくなったのを思い出した。

終電まであと数本。
下りの「とき」に乗り込んだ。
車窓を流れる水滴越しに東京の明かりをぼんやり眺めながら一息つく。
新潟言葉が心地よい。
安堵感に包まれて目を閉じるとあっという間に「まもなく長岡」のアナウンス。
この時ばかりは「もう少し遠くていいのに」と思った。