長岡是好日

2017.06.09

土地の匂い


あっという間に季節が過ぎていく。
6月を迎えて今年も残すところ半年となった。
時間の流れに驚きながら、これからの季節を心待ちにしている。
早くも長岡花火が待ち遠しい。

先日の朝は花火の音で目が覚めた。
「ドン!ドドドドン!」といった具合にいきなり響き渡る。
凧合戦決行の号砲か、どこかの運動会か。
初夏の田舎は結構賑やかだ。
この手の花火は昼花火と言われるもので、ドドドドン!といっぺんに音を鳴らすものは「万雷(ばんらい・まんらい)」と呼ばれる。

唯一空いていた土曜日、例年通り凧合戦を観ようと中之島・今町に向かった。
が、当日は雨降り。
風が強すぎる上に長袖がちょうどいいくらいに寒かった。
法被(はっぴ)姿の男性に声をかけると「今日は中止」とのこと。
落胆したが少しでもお祭り気分を味わいたいと、神社に参って屋台の通りを行ったり来たり。
祭りの匂いが鼻をくすぐる。
お好み焼きにたこ焼き、りんご飴にポッポ焼き。
大凧不発の慰めに大量に買い込んで満腹。
こんな日も良いなと思った。

近ごろ増え過ぎてしまった体重をもとに戻そうと、家の周りを走る習慣ができた。
家並みを抜けて田園風景を見渡す農道を走るコース。
お得意の三日坊主が現れないように、無理をしない程度にゆっくりと40分くらい。
特に朝と夜は空気が澄んで実にすがすがしい。

土地々々に独特の匂いがある。
例えば長岡は、草木の香り。梅雨入り前のこの季節、芽吹いた草木や起された土のにおいか、夜は特に強く香る気がする。
東京に住んでいたころは、長岡駅のホームに降り立つと思い切り深呼吸して「帰ってきたな」としみじみとした気分になった。
実家に帰れば茶の間や台所、布団の匂い。
目には見えなくとも確かに身に沁みついている。

懐かしい記憶はどんな風に香るでしょうか。