季節の長岡暮らしインタビュー_秋vol.3_季節を愛でる長岡

 

たかだみつみさんプロフィール

長岡市生まれ。大学進学と同時に上京。学生時代に、日本の伝統工芸に興味を持ち木版画の創作を始める。卒業後は都内の木版画の※「版元」に就職。その後広告代理店などを経て2012年に帰郷。現在は創作木版画家として活動するほか、イラストレーションやデザインなどを手掛ける。秋山孝ポスター美術館長岡 事務局長・学芸員。長岡造形大学非常勤講師。

長岡暮らしの先輩に聞く!季節の長岡インタビュー秋
vol.1_貴重な“当たり前”長岡の四季を愛でたい


長岡の秋。黄金色に染まる田園や草花の色づきを見て、季節の移ろいを感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、木版画家として活動するたかださんにお話を伺いました。

1.長岡の四季

新潟・長岡は四季がしっかり感じられますよね。山近いし大きな川もあるし、冬も冬らしい。山々や草木の色合いも毎日違っていて、変化を感じられます。長岡に帰ってきて最初の秋は、田んぼの写真を撮りました。田んぼって気になりますよね。「実ってきたなぁ」とか「稲刈りが始まったね」とか、普段の会話に結構出てくる。東京にいる間は、長岡にそこまで魅力を感じていなかったのですが、帰ってきて気づくことも多かったです。

大手大橋を渡るときに、長岡の街並みと一緒に見える山々の風景が大好きで、県外の友人に見せたいです。私の創作活動は「愛でる」ということをコンセプトにしているのですが、身近で当たり前になっているモノやコトに魅力が詰まっていると感じます。

2.「3.11」をきっかけに心境に変化

都内の美術大学に進学するため、高校卒業と同時に上京して10年。学生時代に木版画に夢中になって、気が付けば老舗の「版元」で働くようになっていました。版元というのは、版画の世界の出版社のようなところで、木版職人さんの仕事を間近に見ながら仕事ができる環境で、その技を真似ながらプライベートで創作を続けていました。充実した日々だったと思います。

そこに3.11、東日本大震災です。恵比寿にいたあの日、交通が麻痺して家に帰りたくても帰れないし、まず帰るべき方向も分からない自分に気づきました。友人の家に泊めてもらい難を逃れたのですが、それから地元や家族の存在を強く思うようになりましたね。

3.絶対に東京にいる理由は、ないのかも

このまま東京で暮らしていくのか。そんなことを思ったら、絶対に東京にいる理由はないような気もしてきて。
私自身、何かしらの変化を求めていたのかもしれないです。それからは、学芸員の資格を取るための勉強を始めたり、長岡で仕事を探してみたり。結局2012年の7月に帰郷しました。長く暮らした東京を離れるのに、後ろ髪を引かれることは多々ありましたね。友人も多いし、名残惜しい気持ちでした。
「地元に帰ったら東京とか全然行かなくなるのかな」そんなことも思いました。東京が嫌で帰ってきたわけではないので。

4.長岡はストレスフリー

舞い戻った長岡は、想像よりも過ごしやすかったです。東京だったら日帰りで行けてしまうし、長岡はそんなに田舎じゃない。作家活動もしやすくなって、むしろストレスフリーですね。東京は情報でもなんでも、あふれるくらいたくさんある。長岡は少ないけど、一つ一つが際立って見えるので、自分の欲しい情報が見つかりやすいし行動に移しやすいと感じます。こちらに帰ってきてからはより行動的になって世界が広がりました。人とのつながりも築きやすいですね。東京と長岡、住む場所が変わっても作風が変わることはなかったです。長岡生まれですし、東京でまた何か違うものを吸収して、その先に今があるという感じです。 またこれからも、季節が進むごとに私の中に長岡が染み込んでいくようなそんな気がします。